大切な家族が亡くなった後、遺族にのしかかるさまざまな手続き。その中でも意外と見落とされがちなのが「クレジットカードの対応」です。故人がどのカードを使っていたか把握していないまま、引き落としや督促状が届くケースも少なくありません。
今回は、亡くなったときのクレジットカードの取り扱いについて、基本的な流れや注意点を解説します。
STEP①カード会社へ連絡する
亡くなったことが分かったら、まずは早めにカード会社に連絡を入れましょう。通常、クレジットカード裏面や公式サイトに記載されているカスタマーサポート窓口が対応窓口です。
連絡の際には、以下の情報を用意しておくとスムーズです。
- 故人の氏名・生年月日
- 登録されていた電話番号や住所
- カード番号(わかる範囲で)
- 死亡日
- 連絡者との続柄
カード会社への連絡後は、カードの利用停止が行われ、今後の対応について案内されます。
残債(利用残高)はどうなるの?
クレジットカードの利用残高は、相続の対象となります。つまり、故人のカードに未払いの請求があった場合、法定相続人が支払い義務を引き継ぐことになります。ただし、「相続放棄」や「限定承認」を選択することで、債務の引き継ぎを回避できる場合もあります。
相続放棄・限定承認を検討すべきケース
- 故人の借金が大きい
- 資産よりも負債が多そうな場合
- 経済状況が不透明であるとき
※相続放棄や限定承認には家庭裁判所への手続きが必要で、相続発生を知ってから3か月以内という期限があるので注意が必要です。
引き落とし口座はどうなる?
故人が設定していた引き落とし口座は凍結されるため、クレジットカードの請求額が自動的に引き落とされない場合があります。
そのため、カード会社から請求書が届き、別の口座から支払いを求められることもあります。連絡を怠ると、遅延損害金が発生する恐れもあるため、早めの対処が重要です。
ポイントやマイルは相続できる?
カードに付与されていたポイントやマイルの取り扱いは、カード会社によって対応が異なります。
- 失効する(相続不可)のが一般的です。
- 一部の航空会社のマイルは、相続や家族への移行が可能な場合もあります。
詳しくは、ご利用いただいているカード会社の利用規約やカスタマーサポートに確認する必要があります。
家族カードは自動的に使えなくなる?
故人が本会員となっていた家族カードは、本会員が亡くなった時点で無効になります。家族カードを使い続けていると、不正利用と見なされる可能性があるため、必ず停止手続きを行いましょう。
クレジットカードの対応も「終活」の一環に
クレジットカードの対応は、遺族にとって見えにくく、かつ複雑な手続きになりがちです。特に複数枚のカードを持っていた場合、連絡漏れや未払いに気づかず、後からトラブルになることも。そのため、生前のうちにカードの整理やリスト化をしておくことが、終活の一環として非常に有効です。
- 自分がどのカードを保有しているか
- 残債はあるか
- 支払い口座はどこか
- ポイントの管理方法
これらをまとめておくだけでも、家族の負担を大きく減らすことができます。まずは書き出すことから始めましょう!
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