「遺品整理=モノの片付け」だけではありません
遺品整理と聞くと、タンスやアルバム、洋服や食器…
物理的な「モノ」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも現代は、スマホ1台に「人生の記録」が詰まっている時代。
写真・動画・SNS・クラウド・サブスク・メモ帳・パスワード…それらは目に見えないけれど、「確実に残される遺品」です。
クラウド時代の「見えない遺品」とは?
| 種類 | 内容 | 備考 |
| 写真・動画 | スマホ/Googleフォト/iCloudなど | 自分で選ばないと、全て残る可能性がある |
| ファイル | Dropbox、Google Drive、Evernoteなど | 仕事や個人情報を含むものも |
| メール・SNS | Gmail、LINE、X、Instagramなど | 故人の交友や考えがわかる一方、見せたくない内容も |
| パスワード・メモ帳 | ロック解除、個人のメモ | 書きかけの思考や、デリケートな記録も多い |
「全部残す」のはちょっと危ない?
たとえば…
- 昔の恋人とのやりとり
- 一時的な愚痴や感情のメモ
- スクショ・検索履歴・下書きフォルダ
それは、あなたにとっては過去のことでも、家族にとっては「初めて知るあなた」かもしれません。
残された人が混乱したり、誤解したり、傷ついたりすることもあります。
残す・消すは「気持ち」+「整理」のバランスで
では、どこから手をつければいいのでしょう?
1. 写真・動画は「残す」前提で厳選を
- 子ども・ペット・旅行・家族イベントなど、誰が見ても笑顔になる写真を優先
- プライベートすぎるもの・相手のいる写真は、必要なら非公開設定や削除を
★ポイント
クラウド内に「残したい写真」フォルダを作っておくのがおすすめです。
2. メール・メモ・SNSは「見せたくないもの」を削除対象に
- 仕事のメモ、ネガティブな独り言、誤送信などは今のうちに整理を
- SNS投稿はアーカイブ/非表示/限定公開を活用
★ポイント
「死後に公開されて困るもの」を定期的に見直せると良いですね。
3. データの「鍵」を信頼できる人に託す
- パスコードやアカウント情報はパスワード管理アプリやエンディングノートに記載
- クラウド管理の中でも、 「何を残したいか・消したいか」を意志表示しておく
デジタル遺品でよくあるトラブル
デジタル遺品に関するトラブルが増えています。
- 家族がスマホを開けられない・開けられたくなかったのに、開けてしまえた
- クラウドの保存先が不明で写真が取り出せない
- SNSに思いがけない内容が投稿されていた
- 残すつもりのなかったメモや検索履歴が見つかる
これらはすべて、生前に「残し方・消し方」を少し考えるだけで防げます。
「なにを残したいか」は、人生をどう伝えたいか
- アルバム1冊に選ばれた写真は、あなたが「見せたい人生」
- 逆に、削除するメモや画像は、「自分だけの感情」で終えていいもの
残したくないこと。それは誰にでもあることです。恥ずかしいことでも、後ろめたいことでもありません。
ただ、「これだけは残しておきたい」「これは、自分の中だけで完結させたい」「これだけは見せたくない」という整理を意識しながらデータを管理することで、もしかしたらあなたも、あなたの周りの人も、未来の不安を少し減らすことができるかもしれませんね。
とはいえデータは膨大ですし、完璧に始めようと思うと、苦しくなってしまう方も多いはず。まずは、どうしても家族に共有したい・したくない。という優先度が高いものから、整理を始めてはいかがでしょうか?
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