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エンディングノートと遺言書の違いとは?〜目的・効力・書き方のポイントをわかりやすく解説〜

エンディングノートと遺言書の違い

エンディングノートと遺言書、どちらも「人生のまとめ」だが、役割は違う

終活を始めるとよく聞く「エンディングノート」と「遺言書」。
どちらも「人生の終わりに備える書類」ではありますが、その目的や効力、使われ方には大きな違いがあります。

「気持ちを整理するためのノート」なのか、「法的な手続きのための文書」なのか。
混同しやすい両者の違いについて、以下で整理していきます。

エンディングノートとは?

自由に書ける「人生のメモ帳」のようなもの

エンディングノートは、自分の思いや情報を家族に伝えるためのノートです。

内容は自由で、法的効力はありません。

しかし、残された家族にとっては非常に重要な資料となります。

【よく書かれる内容】

  • 自分の人生の振り返り、感謝の言葉
  • 延命治療・葬儀・お墓に関する希望
  • 銀行口座や保険、サブスクなどの契約情報
  • デジタル遺産の整理(SNS、クラウド、パスワードなど)
  • ペットの世話や友人への伝言
  • 誰に何を託したいか(ただし法的な相続指定にはならない)

【特徴】

  • 法的効力はありません。(参考資料として使われる)
  • いつでも自由に書ける・直せます。
  • フォーマットは市販のノートやPDF、スマホアプリなど多様

遺言書とは?

財産分配などを法的に指定する文書

遺言書は、自分の死後の「財産の分配」や「意思」を法的に有効なかたちで伝える書類です。

民法に基づく形式で書かれた遺言書は、相続人・関係者に対して法的拘束力を持ちます。

【よく書かれる内容】

  • 財産の分け方(誰に何を相続させるか)
  • 相続人以外への遺贈(例:長年の介護者にお金を渡す)
  • 祭祀承継者(お墓を守ってもらう人)の指定
  • 遺言執行者の指定(手続きを代行する人)
  • 認知(婚外子の父親として認めるなど)

【特徴】

  • 法的効力があります(家庭裁判所でも有効)
  • 形式に沿って作成しないと無効になる可能性があります
  • 公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言などの種類があります

2つの違いを比較表で整理してみます

エンディングノート遺言書
目的想いや情報を家族に伝える法的に財産分与などを決定する
効力法的効力なし法的効力あり
形式自由(どんな紙でもOK)民法に定められたルールが必要
書き直し何度でも自由に可能書き直しには正式な手続きが必要
保管自宅・家族共有・アプリなど公証役場・法務局での保管も可能

終活の視点からみた遺言書とエンディングノートの使い分け

エンディングノートは「感情」と「実務情報」の整理

「こんなふうに生きてきた」「家族に感謝を伝えたい」「スマホの中身を誰かに見てほしい」
…エンディングノートは、そういった気持ちや生活情報の記録に向いています。

遺言書は「財産」と「権利関係」の調整

トラブルを避けるためには、遺産の分配や法律に関することは遺言書で明記しておく必要があります。

よくある誤解と注意点

Q.エンディングノートに財産の分け方を書けば大丈夫?

→ A.法的には効力がないため、相続争いになった場合は無視される可能性があります。

Q.遺言書だけ書けば十分?

→ A.パスワード情報、契約中のサブスクなどは遺言書には書かないほうがよい情報もあります(漏洩リスクがあるため)。それらはエンディングノートに分けて記録するのがおすすめです。

エンディングノートと遺言書、両方あってはじめて「安心」につながる

  • エンディングノート → 人生の記録・感情・生活情報を伝達するために
  • 遺言書 → 財産や法的な意思決定を明文化するために

どちらか一方ではカバーしきれない部分があるため、両方を併用してこそ、終活の安心設計が完成します。

まずは気軽に書けるエンディングノートからスタートし、必要に応じて遺言書の準備へと進めるのが、現実的かつ実行しやすいステップではないでしょうか。

堅苦しいルールはいりません!まずは思いを書き出すことからはじめてみませんか?

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