二方向で考えるライフデザイン
30代・40代。 キャリアや家庭が落ち着きはじめたと思ったら、ふと気になってくるのが「親のこれから」と「自分のこれから」ではないでしょうか。
「親にもしものことがあったらどうしよう」
「自分もそろそろ終活を考えた方がいいのかな…」
そんな風に、親の終活と自分の終活を同時に意識する世代に差しかかっている人が増えています。
これこそ、いわば「終活のサンドイッチ世代」。
両方向から迫ってくる課題に、なんとなくモヤモヤしている人も多いはずです。
今回は、「親の終活」と「自分の終活」はどう違うのか？
そして、それぞれどう向き合えばいいのか？をわかりやすく整理していきます。
終活って、誰のためにやるの？
まず大前提として、終活の目的を考えてみましょう。終活とは、人生の最期に向けて、
情報やモノを整理したり
気持ちを言葉にして残したり
万が一に備えて、家族や周囲に意思を伝えたりすること。
その中で、「誰のために」やるのかというと、
- 自分のために（安心して生きるため）
- 家族のために（困らせないため）
の、両方があります。
でも実は、「親の終活」と「自分の終活」は立場も目的も全然違うのです。
「親の終活」ってどんなことをするの？
親の終活は、家族に迷惑をかけないように、先に準備しておくことが中心になります。
たとえば…
- 延命治療や介護の希望を明確にする
- 財産や契約情報を整理しておく
- お墓や供養方法について考えておく
- デジタル遺品やSNSの整理
- エンディングノートや遺言書の作成
この終活の目的は、残される家族（＝私たち）が困らないようにすること。
だからこそ、子ども世代としての私たちは、
親の「意思」を引き出し、記録し、必要に応じて第三者に橋渡しする役割を担います。
でも、親との終活でよくあるのが…
- 「そんな話はまだ早い」と言われる
- 兄弟で意見が合わず、話が進まない
- 本人も自分の契約情報や資産をよく把握していない
こうした“終活あるある”にぶつかると、つい諦めたくなりますよね。
でも、焦らず、ゆっくり、できるところからで大丈夫です。
「自分も最近ちょっと考えててさ…」という切り出し方が案外効果的だったりします。
一方、自分の終活は？
自分の終活は、より「自分らしさ”を大切にしながら進めていける」のが特徴です。
目的は大きく2つ。
- 自分の人生を見直して、これからを豊かに生きるため
- もしもの時、周りの人に負担や混乱を残さないため
たとえばこんなことから始められます
- パスワードやサブスクの整理（デジタル終活）
- 医療や介護の希望を考えておく
- エンディングノートに“今の気持ち”を書いてみる
- 葬儀やお墓の希望をメモしておく
- お金・保険・契約の棚卸し
これらは、すべて「今の自分がやりやすい形」で進めてOKです！
書いてもいいし、アプリを使ってもいいし、誰かに話すだけでも終活の一歩です。
両方向の終活は、同時進行でゆるやかに進めよう
終活は、「親が先、自分はあと」ではなく、どちらも同時に進められます。
というより、自分が終活を始めることで、親との終活の会話が自然に始まるというケースもとても多いのです。
たとえば、
「私、最近パスワードの管理見直してるんだけど、お母さんどうしてる？」
「保険のこと、ちゃんと整理してる？ うち全然わかってなくてさ〜」
こうした雑談から、親の終活がスッと入ってきたりします。
そして、親との終活経験は、未来の自分を助けるヒントにもなります。
終活は「一緒に考える」時代に
かつての終活は、「親の問題」あるいは「年を取ってからの話」でした。
でも今は、
- 自分の終活をしながら、親の終活もサポートする
- 親の終活を学びながら、自分の人生設計にも活かす
そんな二方向での終活が主流になりつつあります。
迷っているなら、まずは自分から。
そして、その経験を親に伝えてみる。
それが、あなたやご家族の未来の安心をつくる第一歩になるのではないかと思います。
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